Matsutoya
アンアンは大丈夫、私はそう思います。
name-2
vol. 2 2020 Jan. 14th

松任谷由実さん (シンガーソングライター)

2 0 2 0 年、おかげさまでa n a nは創刊5 0 年目を迎えました。 それを記念して、ご縁のある方々にインタビュー。 印象に残っている表紙や誌面など、思い出話を伺います。

時代の先陣を切るのはいつも『アンアン』だった。 松任谷由実(シンガーソングライター)

数え切れないほど多くの企画に登場し、『アンアン』の歴史を支えるレジェンド的な存在となっているユーミン。その関係は実に長きにわたるが、1970年の創刊当初はまだデビュー前。一読者として誌面を楽しんでいたという。「ファッションも印象的だったし、今でいうグルメ情報もよく参考にしてました。荒井由実としてデビューした後も、コンサートで地方に行く時は『アンアン』を片手に食べ物屋さん探しをしたりして…。その頃に知った〈みよしの〉の五色おはぎは、今でも松山に行くたびに買っています」初めて誌面を飾ったのは’78年。旅に関するインタビューだった。以来、現在に至るまで恋愛特集をはじめ幅広いテーマに登場。なかには、高中正義さんとお酒を酌み交わした夜遊び企画や横尾忠則さんとのUFO談議など、今では考えられないようなユニークな内容も。本人もかつて「出ていないのはセックス特集くらい(笑)」と語ったほど多彩なページに登場しているユーミンに、小誌の印象を尋ねてみた。「オリジナリティがありますよね。存在が尖っているというか。男の口説き方特集とか。先陣を切るのはいつも『アンアン』だった。私がよく誌面に出していただけるのは、自分自身も常に〝二番煎じはしたくない〞と思っているからなのかも。いつだって、先へと進んでいたいんです」先を見据えるユーミンの姿勢は、誌面の端々に表れている。20年以上前のインタビューで〝人を見る基準に男女は関係ない。性を超えた視点を持つことが大事〞とコメントするなど、今の時代に繋がる価値観をいち早く発信していたことに驚かされる。「それは『アンアン』の編集方針もあると思う。私が発した言葉と編集部の企画意図をミックスして誌面が構成されているわけでしょう? 一方的に意見を垂れ流すのではなくて一緒に作り上げていく、そのケミストリーが面白いんですよね」初登場から40年あまり。さまざまなケミストリーを生みながら共に時代を駆け抜けてきた〝同志〞として、小誌に伝えたいメッセージとは?「私にとって『アンアン』は、発信の場であるのと同時にインプットもできる場所。曲を作って発表して…という以外にこういった機会があってよかったと改めて感じています。今は情報のあり方が変わり、雑誌全体が大変だといわれていますよね。でも、時代とともに変容しつつも変わらない魂を持ち続けている『アンアン』は大丈夫。私はそう思います」

思い出のanan

2184-390.480_2

時代を牽引する3人による豪華すぎるコラボが実現。

思い出に残る企画のひとつが、林真理子さん、柴門ふみさんとの恋愛座談会。「シンガーソングライターとしてファンタジーを大事しなくてはいけないので、リアルな部分はお二人に語ってもらいました(笑)」(1991年8月16・23日合併号)

2184-390.480

初期ananの表紙といえばファニーな笑顔のこのお方。

『ELLE』の日本語版として創刊された『アンアン』。当時のファッショングラビアで大活躍していたのが、独特の存在感が光るモデルの秋川リサさん。「チャーミングで個性的。すごく印象に残っています」(1971年1月20日号)

まつとうやゆみ 東京都出身。1972年にシンガーソングライターとしてデビューし、38枚のオリジナルアルバムをリリースしている。全国
40万人を動員した「TIME MACHINE TOUR」を映像化したDVD/Blu-rayが発売中。

写真・下村一喜(AGENCE HIRATA) スタイリスト・槇原亜加音 ヘア&メイク・遠山直樹 取材、文・真島絵麻里