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トレンドを牽引した立役者
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vol. 3 2020 Jan. 21st

渡辺サブロオさん (ヘア&メイクアップ アーティスト)

2 0 2 0 年、おかげさまでa n a nは創刊5 0 年目を迎えました。 それを記念して、ご縁のある方々にインタビュー。 印象に残っている表紙や誌面など、思い出話を伺います。 今回は、ヘア&メイクアップアーティストの渡辺サブロオさんが登場します!

僕はアンアンで育った。 だから永遠に続いてほしい。 渡辺サブロオ(ヘア&メイクアップ アーティスト)

アンアンと歩み、自らがクリエイトした『ケサランパサラン』『ワトゥサ』などのブランドの名前とともに、今や伝説的なヘア&メイクアップアーティストである渡辺サブロオさん。
「『アンアンで仕事をする』というのは、僕にとって高嶺の花に手を伸ばす感覚でした。たくさんの大先輩カメラマンやスタイリストと、同じ現場で勉強をさせてもらい、僕はアンアンで育ったんです」
 そしてアンアンが仕掛けた驚きの企画の陰には、必ず渡辺サブロオというクレジットがあった。
「記憶に残っているのは、甲田益也子さんや中川比佐子さんをモデルにカメラマンの久留幸子さんと金子國義さんの世界を作った撮影(1984年424号、1985年468号)。金子さんはとことん自分の描く絵の世界のようにモデルの顔を作れ、とおっしゃるんですが、僕はモデルの顔も生かしたかった。水面下で静かに抵抗しました(笑)。あとは篠山紀信さんと読者19人のヌード撮影をした『きれいな裸』(1992年841号)という企画。本当に楽しい、素晴らしい撮影でした」
 そしてアンアンの伝説となった、あの企画も。
「小泉今日子さんの髪をばっさり切った表紙ですね。あの企画は打ち合わせをしたものの、小泉さんとどんな髪型、長さにするかは決めていなかったんです。でも彼女は肝が据わっている。最初にハサミをいれた瞬間『あっ!』と声をあげたけど、あとは無言。僕を信頼して任せ、ショートヘアになったんです」
 他にも今井美樹さん、牧瀬里穂さん、中山美穂さん、宮沢りえさん、後藤久美子さんなど、サブロオさんは、数々の女優に新しい魅力をもたらした。
「メイクアップは好きにやって楽しむもの。だから押し付けないように気をつけました。僕はメイクを〝香り〞だと思っています。前面に主張せず、その人に纏わせ、魅力を薫らせるのが仕事。魔法をかけるつもりでやるのが、僕のメイクアップの方法」
 アンアンが50周年を迎えることを伝えると。
「50年なんてまだ子供(笑)。脈々と流れるアンアンのアイデンティティは、孫や、ひ孫ができても広がっていくもの。紙媒体は絶対に残るんです。ページをめくる指の感触が、脳に忘れられない記憶を残すんです。ウェブは記録としてどこかのクラウドに残るかもしれないけど、心に永遠に残るのは紙媒体だと思うんです。50年続いたアンアンも、まだまだ求められるものとして、ずっと続くと信じています」

思い出のanan

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盗めるかな、このテクニック。渡辺サブロオ・技術公開。

画家の金子國義さんの世界をモデルのメイクやファッションで作り上げたり、サブロオイズム的クリエイティビティを一番求められていた時代。読者に向け、その技術をサブロオさんの言葉で紹介した。(1984年3月23日号)

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モデルや女優が熱望した、サブロオさんのヘアカット。

ananでヘアスタイルの特集を組むと、そのヘアが流行った時代。その中でもサブロオさんに髪を切ってほしい! と立候補する有名人が多かった。表紙は、その後トップモデルになった田中久美子さん。(1988年3月18日号)

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小泉今日子さんの背中までの長い髪を、大胆にカット!

1989年にanan誌上で長い髪をバッサリ切ったのもサブロオさん。プライベートでも付き合いがあるふたりだけに、目指すものには迷いがなかった。あまりに大胆なカットに周りのスタッフがドキドキ。(1991年2月1日号)

わたなべさぶろお 日本におけるヘア&メイクアップアーテ
ィストの先駆け的な存在。オリジナルブランド『wAtOSA』の
開発・プロデュースをはじめ、雑誌・広告を中心に活躍。

写真・大内香織 取材、文・今井 恵